ひきこもり外来を始めます。相談日はご相談に応じます。お電話にてお問い合わせください。06-6361-1230 

「ひきこもり」外来開始について

 近年我が国では、ひきこもりという現象が問題となっています。ひきこもりとは「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学,非常勤職を含む就労,家庭外での交遊など)を回避し, 原則的には6カ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしてもよい)を指す現象概念」と定義されています。平成22年度内閣府調査によると70万人を超える者がひきこもり状態にあるとされ、政府は現状打破にむけ、ひきこもり対策推進事業に取り組んでいます。彼等は、それぞれに何らかの生きづらさを抱えており、それ故に行き場や心の居場所を無くし、自分自身を諦め社会との接触を絶っているのです。この状態を放置すると社会復帰までの道が長引くだけでなく、自殺や犯罪等の社会問題に繋がる危険性もあり、当事者だけでなく社会が一丸となり解決に取り組むべき課題であると考えます。

 ひきこもりの根本には自尊心の喪失があります。環境の問題もありますが、発達障害や、心的外傷後ストレス障害などをベースに他者と交わることへのしんどさ、恐怖、自信のなさが存在しているのです。ひきこもる原因の多様さ故、画一的な対処法はないと考えて良いでしょう。実際の医療現場は家族や支えてくれている人たちの相談が主となり、当事者の受診に至るケースは少ないのが現状です。当事者が医療的介入の必要性を感じていないのは勿論のこと、現状からの脱出、それどころか自分らしく生きていくことを諦めてしまっているケースも多いからです。ひきこもりから脱出した先に何があるのか、そこに希望が見えるよう導いていかなければならないと考えます。


 人は皆、しあわせになりたいと願って生きています。 しあわせの定義は、自分が自分らしく生きていけることだと考えます。その「自分らしさ」とは何かを追い求めて、人は苦しみ悩むのです。自己が確立できていないと、自分自身を他者の定規で計り、思い悩むのです。自分は自分であれば良いと、考えられないからです。そんな自分から自由になろうとして、逆に不自由になるという現実。そんな不自由から逃れようとする「あがき」が問題を複雑にするのです。わが国だけではなく世界中でも問題となっている「ひきこもり」(hikikomori)、不登校、テロ組織への参加など、以前の自分からは思いもしなかった状態、即ち自分を見失った状態はこうして起こると考えます。みこころクリニックでは、ひきこもりにも焦点を当て、心理学的検査等を施行することにより、ひきこもりの根底に存在する生きづらさの分析を行い、突破口を見出したいと考えます。その上で 当院のデイケアも利用しながら、如何にして ひきこもりから脱出して社会復帰につなげていくかのお手伝いをします。 

 受診に繋がれないでいる「生きづらさ」を持った方々に対して医療機関でできることには限界があります。 医療機関の枠を超え公的機関や他業種とも連携して、ひきこもり問題に能動的に取り組む必要性を痛感し、我々は『オテルディユ・生きづらき者たちの家』(NPO法人認証申請中)を設立しました。 『オテルディユ・生きづらき者たちの家』(NPO法人認証申請中)の活動理念を以下に記します。

『オテルディユ・生きづらき者たちの家』(NPO法人認証申請中)では具体的に以下の活動に取り組みたいと考えています。まず、啓発、教育活動として、主に当事者を支える家族に対する講演学習会、個別相談会を行います。そして、必要な場合は個別にひきこもり現場へ出向き本人との接触を行う訪問活動に取り組み、みこころクリニックをはじめとする医療機関や就労機関や教育機関等、他の連携機関へ繋げます。また、常に現状を把握し当法人の活動に活かすため、人材育成活動、調査・研究活動及び活動結果の発表活動も継続的に行います。ひきこもりを脱した後の生活基盤を確たるものとするために、それと並行して適切なるグループホーム等の居住施設の設立を目指します。また、ひきこもりを脱した後の社会的基盤を確たるものとするための事業として、近未来の雇用に繋がる作業所等の設立などの雇用の創出を目指します。

○受診までの流れ


ご依頼(みこころクリニックにお電話にてご連絡下さい)

ひきこもり外来での聞き取り・相談( 家族・関係機関より)
もしくは
院長が代表を務める『オテルディユ・生きづらき者たちの家』(NPO法人認証申請中)の定期講演会及び個別相談会にての聞き取り・相談(本人・家族・関係機関より)

『オテルディユ・生きづらき者たちの家』(NPO法人認証申請中)による訪問可否決定

訪問開始日調整

訪問開始

当事者本人の医療的介入の必要性判断
医療的介入が必要なら受診に繋げます。
社会復帰を目指し当院デイケアもご利用いただけます。

○実施内容


・精神科医師による診療(保険適用)
・看護師, 臨床心理士による精神科訪問看護(保険適用)
・各支援者との連絡調整 
・デイ・ナイトケア利用(保険適用)

*疾患によっては助成制度の申請が出来る場合もございますのでご相談下さい。

『オテルディユ・生きづらき者たちの家』(NPO法人認証申請中)の定期講演会及び個別相談会につい